『日本ソムリエ協会教本』2017年版のクロアチアの章

2017年版教本でクロアチアのサブリージョン名はクロアチア語と英語が混在していますが、どちらかに統一することはできないのでしょうか。

また、クロアチア語で書かれたサブリージョン名には間違っているものもあるので訂正したほうが良いと思います。Istra ではなく Hrvatska Istra ですし、Podunavlje ではなく Hrvatsko Podunavlje です。

p.196 に 2001年に行われたDNA鑑定の結果、プラヴァッツ・マリはジンファンデルやプリミティーヴォのオリジンとされ、ダルマチアの土着品種であるツュリエナック・カシュテランスキがジンファンデルのルーツであることが判明した。 と書かれていますが、プラヴァッツ・マリではなく Plavac mali crni と書いたほうが良いと思います。

クロアチアの品種リストでは Plavac mali crni のシノニムとして Plavac mali と言う名称も認められていますが、わざわざシノニムのほうを使う必要はないと思います。

また、Plavac mali crni は Tribidrag と Dobričić の交配によって生まれたぶどう品種のようなので、「プラヴァッツ・マリはジンファンデルやプリミティーヴォのオリジンとされ」と言う記述は間違いになると思います。参考ページ : VIVC | PLAVAC MALI CRNI

注 : クロアチアの品種リストでは Tribidrag のシノニムに Zinfandel, Primitivo, Pribidrag, Crljenak, Crljenak kaštelanski が登録されています。

p.197 の「ワイン法と品質分類」に 地理的表示に関しては、EUの原産地呼称保護(PDO)を踏襲し、3つのリージョン、12のサブリージョン、66のアペラシオンが制定されている。 と書かれていますが、「アペラシオン」という単語はどこから出てきたのでしょう?

クロアチアのワイン生産地は3つのリージョン(Regije)、12のサブリージョン(Podregije)に分けられ、サブリージョンは Vinogorja に分けられますが、Vinogorja を「アペラシオン」と訳すのはおかしいと思います。アペラシオンは「名称、呼称」のことだと思いますが……。

注 : 現在、保護された原産地名称(PDO、クロアチア語では ZOI)として認められたワイン産地は3つのリージョンと12のサブリージョンに ZOI Dingač を加えた16あるようです。

EUの原産地呼称保護(PDO)を踏襲し」と言う箇所はどのように理解すればいいのか分かりません。説明できる人がこの世の中にいるのでしょうか?

テーブルワインと上級ワインの説明に「総合評価点」が出てきますが点数が間違っているように思います。参考ページ : Pravilnik o izmjenama i dopunama Pravilnika o organoleptičkom (senzornom) ocjenjivanju vina i voćnih vina

上級ワインの説明で Kvalitetno vino s Kontrolirano Podrijetlo を「原産地産上級ワイン」、Vrhunsko vino s Kontrolirano Podrijetlo を「統制保証原産地産最上級ワイン」と訳していますが、Kvalitetno が Vrhunsko に変わっただけにしては日本語が違いすぎるように思います。

教本では「原産地産上級ワイン」はサブリージョンで、「統制保証原産地産最上級ワイン」はアペラシオンのうちのひとつでしか生産できないように書かれていますが、保護された原産地名称として認められたリージョンでも Kvalitetno vino や Vrhunsko vino を造ることができると思います。参考ページ : リージョン Primorska Hrvatska の仕様書(PDFファイル)

p.199 のイストラの説明に ブドウ栽培面積6,000haを抱える と書かれていますが何十年前のデータなのでしょう?Vinogradarski registar にクロアチアのリージョンやサブリージョンごとの栽培面積が載っていますが、Hrvatska Istra のぶどう栽培面積は 3,000 ha と少ししかないようです。

また、p.198 でモスラヴィーナの主要品種としてディセチャ・ラニナの名がありますが Dišeća ranina bijela のことなのでしょうか?主要品種と言うには栽培面積が小さ過ぎるように思います。

posted : 2017-04-12 | category : 日本ソムリエ協会教本2017年版

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