アメリカ 2015年版教本

『日本ソムリエ協会教本2015年版』 p.382 アメリカの「プロフィール」に、カリフォルニア・ワイン産業の一つの特徴は、大規模なワイン生産者数十社が生産量の約90%を占める と書かれていますが、1999年版教本でも カリフォルニア・ワインの大きな特徴としては、第一に大規模なワインメーカーの数十社が市場の約90%近くを占めている と書かれていました。

2015年版教本の「数十社が90%を占める」というのは、最新のデータでの 90 % なのでしょうか?

p.383 の「歴史」に、1769年にローマカトリック教会のフランシスコ修道会の修道士達が、ミサ用のワインを造り始めたのが、カリフォルニア・ワインの歴史の始まりとなった。 と書かれていますが、1769年というのはカリフォルニアに最初の伝道所が建てられた年で、実際に修道士達によってワインが造られたのは1782年になるようです。

19世紀後半には、ジャン・ルイ・ヴィーニュによってヴィニフェラ系のブドウが持ち込まれ と書かれていますが、ジャン・ルイ・ヴィーニュがカリフォルニアに移住する前から、カリフォルニアではヴィニフェラ系品種のミッションが栽培されているのに、わざわざ「ヴィニフェラ系」と書く必要があるのでしょうか。

ジャン・ルイ・ヴィーニュがカリフォルニアで初めてヴィニフェラ系品種を欧州から直接輸入したらしいのですが、ジャン・ルイ・ヴィーニュがヴィニフェラ系品種を輸入したのは19世紀前半になると思います。

フィロキセラについて、1873年に最初にソノマで発見され、またたくまに多くのブドウ畑に侵入して危機に陥ったが、ラブルスカ系を台木にした接木苗が東部経由でもたらされたことで、被害を克服することができた。 と書かれていますが、当時、カリフォルニアでは Vitis Rupestris 系が主に台木に使われていたようです。(Vitis Labrusca はフィロキセラ耐性はあるものの強くはなく、台木にはあまり使われないようです。)

p.384 の「規定アルコール含有量」の説明に、テーブルワインは発酵の過程での糖分添加が禁止されている。アルコール度数は7%以上14%未満でプラスマイナス1.5%の許容は認められている。アルコール含有量が14%以上になる場合はその旨を明示しなければならない。 と書かれていますが、補糖して醸造されたワインは「テーブルワイン」と表示できないのでしょうか?

注 : アルコール度数が 7-14 % vol の場合は Table Wine という表示ができ、アルコール度数の表示が省けます。

p.386 の Napa Valley AVA の説明に、カリフォルニアのワイン生産量の約4%を産出する。サン・パブロ湾から北西のセント・ヘレナ山まで、南北に約50km、東西の幅は最も広いところで約8km、最も狭い場所で約1.6kmの細長い地形を持つ。 と書かれていますが、すべて出鱈目です。

Napa Valley AVA の生産区域内には 16 の AVA が含まれ、それぞれの AVA 名でワインが造られているので、Napa Valley AVA としての生産量は 4 % よりかなり小さなものになると思います。

p.391 のワシントン州の説明に、ワシントン州のブドウ栽培面積は約17,745ha(2012年) と書かれていますが、17,745 ha というのはワイン用ぶどうの栽培面積です。

また、ブドウ栽培面積の内、白ワイン用品種が49%、赤ワイン用品種が51%を占める。 と書かれていますが、ワイン用白ぶどう品種の栽培面積は 17,745 ha の内の 42.99 % になります。

p.392 の表で白ぶどうが 103,200 ha 、黒ぶどうが 106,800 ha になっていますが、表の単位は ha ではなく tons が正解です。

posted : 2016-01-22 | category : 日本ソムリエ協会教本2015年版

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