アルゼンチン 2015年版教本

『日本ソムリエ協会教本2015年版』 p.409 のアルゼンチンの地図でワイン産地は Norte, Cuyo, Patagonia に分けられていますが、p.410-415 では Región Centro-Oeste, Región Noroeste, Región Sur に分けられています。産地区分をどちらかに統一したほうがいいと思います。

p.410 の「気候風土」で灌漑について、ブドウの成長に合わせて最適な量と時期の水分を供給する人工的な設備として畔、冠水、ドリップの3灌漑方式が採られている。 と書かれていますが、「畔」は灌漑方式になるのでしょうか?

「主なブドウ品種」について、その自生地であるメンドーサで発見されて以来、アルゼンチンのマルベックは世界的に再評価を受けている。 と書かれていますが、マルベックはフランス原産のぶどう品種で、人の手によってアルゼンチンに持ち込まれ植えられたものです。

p.411 に「主なブドウ品種」の表がありますが、ワイン用の白ぶどうと黒ぶどうのみで、ワイン用のピンク系品種が載っていません。以下は、教本と同じ2012年のデータで栽培面積の大きいピンク系品種です。

p.410 の「ワイン法と品質分類」に、原産地呼称制度(デノミナシオン・デ・オリヘン=Denominación de Origen)が施行されており、現在以下の3地区が認定され、申請中のものも控えている。 と書かれていますが、Denominación de Origen Controlada の間違いだと思います。

また、Valles del Famatina は DOC として認められていないと思います。

p.411 の Mendoza の説明に栽培比率が載っていますが、2012年ではワイン用黒ぶどう品種が 54.85 % 、ピンク系ぶどう品種が 26.02 % 、白ぶどう品種が 17.53 % になっています。

Mendoza の北部(Lavalle, Las Heras)の説明に、生食と干しブドウの生産も盛んである。 と書かれていますが、2012年の食用ぶどうの栽培面積は 2.93 % 、干しぶどう用ぶどうは 0.75 % なので、盛んというほどでもないと思います。

p.412 のルハン・デ・クージョの説明に、マルベックを中心にカベルネ・ソーヴィニヨン、シュナン、メルロ、シャルドネ、シラー、ユニ・ブラン、トカイ・フリウラーノが植えられている。 と書かれていますが、2012年のユニ・ブランの栽培面積は全体の 0.31 % 、トカイ・フリウラーノは 0.05 % です。

Mendoza の南部(San Rafael, General Alvear)の説明に、メンドーサ州の18%を占める と書かれていますが、2012年の栽培面積はメンドーサ州の 11.95 % です。

San Juan の説明に、先に挙げた3渓谷は標高630mにあり と、Valle del Tulúm, Valle de Zonda, Valle de Ullum のいずれも標高 630 m に位置しているように書かれていますが、Valle de Zonda と Valle de Ullum のぶどう畑は標高 780 m 前後に位置しているようです。Valle del Tulúm は生産区域が広いので標高 630 m に位置して場所もあると思いますが…。

p.413 の San Juan のぶどう品種の説明に、品種はロゼと白ワイン用が赤ワイン用を凌駕している。 と書かれていますが、2012年の栽培面積は黒ぶどう品種が 11,937 ha 、ピンク系ぶどう品種が 12,003 ha 、白ぶどう品種が 10,118 ha になっています。

また、近年、栽培管理の改善、醸造技術の革新により、品質の向上に大きな前進が見られる。約2,000haに垣根と棚に半分ずつ仕立てられ、シャルドネ、シュナン、セミヨン、ピノ・ブランコの白ブドウとカベルネ・ソーヴィニヨン、シラー、メルロの黒ブドウが植えられている。 と書かれていますが、2012年の栽培面積はシラーだけで 3,090 ha 、カベルネ・ソーヴィニヨンは 1,658 ha あります。

北西部のワイン産地の説明で Perico y El Carmen について、フフイ州エル・カルメン県にある、生食向けの100haの栽培地区である。 と書かれていますが、2012年のフフイ州のぶどう栽培面積は 11.1085 ha 、生食用は栽培されていないようです。

Valle Calchaquíes の説明に、サルタ州のラ・パンパ(La Pampa) と書かれていますが、ラ・パンパは何処にあるのでしょう。

p.414 の La Rioja の説明に、白向けの品種がこの地方の約47%を占め、中でもトロンテス・リオハーノはこの地方のブドウ畑の約36%の面積を占める特色ある品種である。この他、モスカテル・デ・アレハンドリア、シャルドネなど。 と書かれていますが、2012年のワイン用白ぶどう品種の栽培面積は 37.95 % 、トロンテス・リオハーノは 30.03 % です。モスカテル・デ・アレハンドリアは 4.66 % 、シャルドネは 1.32 % を占めています。

ワイン用ブドウ以外では、スルタニナ・ブランカ、アリスル(Arizul)、カルディナルが生食と干しブドウ向けに植えられている。カルディナルはこの地の最初の畑である。 と書かれていますが、「カルディナルはこの地の最初の畑」の意味が分かりません。

2012年のチレシト県のぶどう栽培面積は州の 82.21 % になっています。

南部の Alto Valle del Río Negro の説明に、この地方の80%を占める。 と書かれていますが、2012年のぶどう栽培面積では 37.45 % です。

p.415 の Alto Valle del Río Colorado の説明に、リオ・ネグロ州のペニャス・ブランカス県(Peñas Blancas)、バジェ・ベルデ県(Valle Verde)とラ・パンパ州のコロニア・ベインティシンコ・デ・マジョ県(Colonia 25 de Mayo)からなる。 と書かれていますが、リオ・ネグロ州にペニャス・ブランカス県やバジェ・ベルデ県はあるのでしょうか?コロニア・ベインティシンコ・デ・マジョ県も…。

Valle Medio del Río Colorado の説明に、リオ・ネグロ州の北東部ピチ・マウイダ県(Pichi Mahuida)にある。東西に延びる長く狭い流域で、起伏のある平原の特徴をもっている。北はコロラド川右岸、南はパタゴニア低地が境界であり、700kmの長さに2〜6kmの幅がある。 と書かれていますが、ピチ・マウイダ県は東西で 160 km ほどしかありません。「700 km」は収まらないと思います。

また、「起伏のある平原の特徴」とは?

ブドウ品種はセミヨン、ペドロ・ジメネス・リオ・コロラド、ソーヴィニヨン・リオ・コロラド、トロンテス・メンドシーノ、ボナルダ、マルベックが醸造用である。生食用としてはモスカテル・ロザド、アルフォンソ・ラバジェ、モスカート・ビアンコがある。注目すべきはペドロ・ジメネス・リオ・コロラドとソーヴィニヨン・リオ・コロラドの2種で、まだ明確に系統が鑑定されていないが、他では見られない品種である。 と書かれていますが、2012年のピチ・マウイダ県のぶどう栽培面積は 58.8016 ha で、セミヨンは 1.35 ha 、トロンテス・メンドシーノは 0.435 ha 、ボナルダは 1.25 ha しかありません。ペドロ・ジメネス・リオ・コロラド、ソーヴィニヨン・リオ・コロラド、モスカート・ビアンコはピチ・マウイダ県では栽培されていないようです。

posted : 2016-01-23 | category : 日本ソムリエ協会教本2015年版

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