ポルトガルのワイン産地 2015年版教本

『日本ソムリエ協会教本2015年版』 p.308 のトラズ・オス・モンテス地方の説明に、ミーニョ地方の東側から、スペイン国境まで広がり、南側はドウロ河の左岸で区切られる。 と書かれていますが、地図で確認すれば「南側はドウロ河の左岸で区切られる」ということが間違いだと直ぐに分かると思います。

p.309 の DOP Porto の説明に、ポルトのブドウ畑はカダストロと呼ばれる特有の格付けがなされる。 と書かれていますが、Cadastro は「土地台帳」をあらわすポルトガル語で、「格付け」といったような意味は持たないと思います。

また、畑を最高ランクのAから下級ランクのFまで6段階に区分けしている。 と書かれていますが、ドウロ・ポルト地方のぶどう畑は A から I の9段階に分類され、DOP Porto には F 以上に格付けされた畑のぶどうが使われます。

その他、ルビータイプにはヴィンテージ・キャラクター(Vintage Character)、クラステッド・ポート(Crusted Port)、ガラフェイラ・ポート(Garrafeira Port)などがある。 と書かれていますが、Garrafeira は一定の熟成期間を満たした Colheita に使える単語で、ルビータイプには分類できないと思います。

p.310 に DOP Porto のホワイトタイプの説明がありますが、教本の書き方ではホワイトタイプは「ライト・ドライ・ホワイト・ポート」だけで、甘口がないようにも読めます。

DOP Bairrada の説明に、海岸からわずか20km程度と遠くないため土壌も粘土質を主体に石灰岩質が混在していて と書かれていますが、海岸から遠くないことと土壌が粘土質なことに関連性があるのでしょうか。

また、DOP Bairrada のぶどう栽培面積が 12,000 ha というのは、近年のワイン生産量から考えると間違っていると思います。

生産量の83.6%は赤ワイン と書かれていますが、近年は赤ワインとロゼワインを合わせても 80 % を超えていません。

DOP Dão のぶどう栽培面積が 20,000 ha というのは、近年のワイン生産量から考えると間違っていると思います。

p.311 の DOP Setúbal の説明に、モスカテル種から造られる酒精強化ワインが主役である。 と書かれていますが、DOP Setúbal として認められているのは酒精強化ワインだけなのに何故「主役」なのでしょうか?

黒と白のモスカテルを混ぜてつくることが特徴 というのも間違いだと思います。

p.312 の Madeira のぶどう品種 Tinta Negra Mole の説明に、島のほとんどの地域で栽培され と書かれていますが、近年の収穫データを見ると、ぶどうが収穫されている市町村の約半分で Tinta Negra は全く収穫されていません。

マデイラは3年以上の樽熟成が義務づけられ と書かれていますが、そのような規定があるのでしょうか?

p.312-313 に、単一品種・単一収穫年表記のいわゆるヴィンテージワインは、正しくはフラスケイラ(Frasqueira)又はガラフェイラ(Garrafeira)と呼ばれる。最低20年間の樽熟成が必要とされ、表示される品種を100%使用しなければならないと規定されている。 と書かれていますが、Frasqueira と Garrafeira は20年以上の樽熟成を経たヴィンテージワインに使える用語で、単一品種でなくても使えると思います。

また、「表示される品種を100%使用しなければならない」という規定もないと思います。

posted : 2015-12-24 | category : 日本ソムリエ協会教本2015年版

Comment

« »
recent comments
categories
ranking