ルーマニア 2015年版教本

『日本ソムリエ協会教本2015年版』 p.366 のルーマニアのプロフィールで、約90%がルーマニア国内で消費される と書かれていますが何年前のデータなのでしょう。90 % が国内で消費されるなら 10 % は輸出されていることになると思いますが、ルーマニアから輸出されるワインは2008-2012年の平均で約 112,000 hl と、生産量の約 2.7 % にしかなりません。

「歴史」の説明に、ルーマニアのワインの歴史は6000年前までに遡る。 と書かれていますが、p376 では ヨーロッパの国々の中でも最も古くからワイン造りが行われており、紀元前5000年頃オリエントに発したワイン造りは、紀元前2000年頃にギリシャに伝えられたとされている。 と書かれています。「6000年前」というのは間違っているのでしょうか?

p.367 の「原産地と品質に関する法律」で「D.O.C.C.」、「D.O.C.」、「V.D.O.C.」、「I.G.」の4つに分類されていますが、実質は DOC と IG のことです。

「ブドウの収穫状況に関する法律」にある6つの中で実際にあるのは CMD, CT, CIB の3つだけです。

教本で「D.O.C.C.」と説明しているのは CMD, CT, CIB といった品質レベル(trepte de Calitate)を伴う DOC のことで、イタリアの DOCG と DOC のような上下関係にあるわけではありません。

「糖分に関する法律」で 45 g/l と 50 g/l の間は何になるのでしょう。

「ワインの産地と特徴」で、7つのワイン生産地方(ルーマニアの地方にほぼ一致)に大きく分けられ、その中に37の認定されている生産地域(Podgorie)がある。 と書かれていますが、「7つ」ではなく「8つ」です。

p.368 のぶどう品種の説明で Babeasca Gri の日本語の意味が「グレーの熟女」になっていますが、Babeasca は「おばあさん」だと思います。

また、Babeasca Gri が Babeasca Neagra の突然変異種として認証されたのが1975年ということなので、教本の ルーマニアの白ブドウの品種の中で最も歴史が古く古代から栽培され続け、2000年以上の歴史がある と言う記述は間違いになると思います。

Babeasca Gri の栽培面積は2009年には 328 ha あったようです。

Feteasca Alba の説明に、ルーマニアで一番広く栽培されている白ブドウの品種であり と書かれていますが、一番栽培面積が大きいのは Feteasca Regala だと思います。

Tamaioasa Romaneasca の説明に、熟期の糖分は240〜300g/l と書かれていますが、熟すだけではそこまで糖度は上がりません。Feteasca Neagra と Busuioaca de Bohotin の「熟期の糖分」も間違っていると思います。

Busuioaca de Bohotin の栽培面積は2009年には 268 ha あったようです。

p.369 のトランシルヴァニア地方の説明に、トランシルヴァニア地方で白ブドウのみ栽培されている。 と書かれていますが、トランシルヴァニア地方では黒ぶどうも栽培されています。

トランシルヴァニア地方の合計栽培面積は14,000haである。 と書かれていますが、2012年ではルーマニア全土の 3 % ほどの栽培面積しかないようです。

モルドヴァ地方の説明に、モルドヴァ地方の合計ブドウ栽培面積は94,000ha と書かれていますが、2012年では 37 % ほどの栽培面積になるようです。

ドブロジェア地方の説明に、ドブロジェア地方の合計栽培面積は25,000ha と書かれていますが、2012年では 8 % ほどの栽培面積になるようです。

p.370 に「ルーマニアの主なワイン産地」の表がありますが、かなり間違っていると思います。

posted : 2016-01-15 | category : 日本ソムリエ協会教本2015年版

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