ブルガリア 2015年版教本

『日本ソムリエ協会教本2015年版』 p.371 のブルガリアのプロフィールに、ワインの他にラキアと呼ばれる白いブランデーが生産され、食事中にもよく飲まれている。ラキアは主にブドウの搾りかすを蒸留したもので、マールあるいはグラッパと同様な製法で造られる。ブランデーは他の果物からも造られるが、その場合は果汁をそのまま蒸留する。寝かせてわずかに色づくタイプもある。アルコール度数は40度以上と定められている。 と書かれていますが、Ракия (Rakiya) は果物から造られた蒸留酒を表す単語なので、白くなくてもいいと思います。

ぶどうの搾りかすをそのまま蒸留してもブランデーはできないので、蒸留前にぶどうの搾りかすを醗酵させる必要があると思います。

また、「果汁をそのまま蒸留する」ことはないと思います。

Гроздова Ракия に求められるアルコール度数は40度以上ですが、他の Ракия は37.5度以上になるようです。

p.372 のぶどう品種の表に Red Misket とありますが、OIV のリストでも使われている Misket Cherven を使ったほうがいいと思います。

黒ぶどうの Gamza の説明に、ワイン用ブドウ畑の2%でしかないが と書かれていますが、2009年の Gamza の栽培面積は 550 ha で、ワイン用ぶどうの 1 % ほどです。

Mavrud の説明に、全国の1%未満でしかないが と書かれていますが、2009年の Mavrud の栽培面積は 1,296 ha で、ワイン用ぶどうの 2.3 % ほどあります。

教本の Melnik は Shiroka Melnishka loza のことなのでしょうか?
p.373 の「ストゥルマ谷」の説明に出てくる シロカ・メルニシカ・ロザ は Shiroka Melnishka loza だと思いますが、同じ品種なら呼び方をどちらかに統一したほうがいいと思います。

p.373 に「ワイン法と品質分類」の説明があるのですが、ここでも「保護された原産地名称」には全く触れられていません。

「特定地区で造られた上質ワイン」の説明に、GADO(Guaranteed Appellation and Denomination of Origin) と書かれていますが、ブルガリア語の Гарантирано и Контролирано Наименование за Произход (ГКНП) の英語表記は Guaranteed and Controlled Appellation of Origin になると思います。

注 : 現在52の原産地が認められている。 という箇所は、GAO と GADO を合わせて52ということです。

「ドナウ平原」の説明に、主なワイナリーとしてルセ、スヴィシフト、プレヴェン、スヒンドル、リャスコヴェッツ、ヴィンデンなどがある と書かれていますが、「ワイナリー」ではなく「ワイン産地」だと思います。

「ストゥルマ谷」の説明に、比較的高い気温(成長期の積算温度が約4,100℃) と書かれていますが、p.432-433 で説明されているオーストラリアのバロッサ・ヴァレーの積算温度は 1,710℃。基準は統一したほうがいいと思います。

「バルカン山麓部」の説明に、最も広く栽培されている品種はレド・ミスケット・ロゼ、ヴァレイ・ミスケット、スングアレ・ミスケット、ロゼ・ヴァレイ・ミスケット、シャルドネ等の白ブドウとカベルネ・ソーヴィニヨン、メルロ等の黒ブドウ と書かれていますが、正体の分からない品種がいくつかあります。

「トラキア平原」の説明に、ブルガリア固有の品種であるマヴルドはアセノヴグラド、パザルジック、ペルシティツァ周辺の限られた地域で栽培されている。 と書かれていますが、他の地域でも栽培されているようです。

ディミアト と言う品種は p.372 で ディミャト と書かれている品種でしょうが、p.374 の「黒海沿岸」の説明に出てくる ジミャト も同じ品種なのでしょうか?

posted : 2016-01-16 | category : 日本ソムリエ協会教本2015年版

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