フランス「プロフィール、歴史、ブドウ品種」 2015年版教本

『日本ソムリエ協会教本2015年版』のフランスの章で p.72 のプロフィールに ワイン用ブドウ栽培面積は800,000ha とありますが、800,000ha という OIV のデータには食用ぶどうなども含まれているので「ワイン用ブドウ」というのは間違いになります。

北部のノルマンディやフランドルなどの地方をのぞく国土の全域でブドウが生産されており とも書かれていますが、ノルマンディ地方のカルヴァドス県には IGP Calvados というワイン産地があることが忘れられています。

フォーティファイド・ワインの仲間として、V.D.L.、V.D.N.があり、ローヌやラングドック・ルーシヨンを中心に生産され、フランス特有のものとして近年特に人気が出てきている。 と書かれていますが、Vin de Liqueur (VDL) というのは酒精強化ワインをあらわすフランス語なので、「フォーティファイド・ワインの仲間」という表現は間違っていると思います。酒精強化ワインは英語では Liqueur Wine や Fortified Wine と呼ばれます。

また、Vin Doux Naturel (VDN) を「フランス特有のもの」としていますがギリシャでも造ることができるのではないでしょうか。教本のギリシャの章 p.378 の O.P.E. の説明に書いてありますが…。

フランスの歴史でブドウの病禍について書かれているのですが、

19世紀後半に3度にわたるブドウの病禍に見舞われる。1855〜1856年のウドンコ病(Oïdium)、1863〜19世紀末にアメリカ大陸から侵入したフィロキセラ(Phylloxéra)による被害、1878〜1880年のベト病(Mildiou)で、ウドンコ病には硫黄が、ベト病にはボルドー液がよく効くことがわかり、退治することができたが、フィロキセラには根本的に効くものはなく、19世紀末になって、フィロキセラに耐性をもつアメリカ産の台木にフランス本来のブドウ樹を接木することにより、やっと解決することができた。

フランスでウドンコ病が確認されたのは1846年か1847年で、1855年までに被害はかなり大きくなっていると思います。

また、ベト病が確認されたのは1878年のようですが、1880年は何の年なのでしょうか?ボルドー液が造られたのは1883-1884年頃らしいのですが…。

主要ブドウ品種の説明では、数千種あるといわれるヴィティス・ヴィニフェラ原種のうち、フランスワインを造り出すぶどう品種は約200種といわれる。 と書かれていますが、「200」という数はどこから出てきたのでしょう。

フランスのぶどう品種リストでワイン醸造用として登録されているヴィティス・ヴィニフェラは2014年で255品種あるようです。

p.73-74 に載っているぶどうの栽培面積は FranceAgriMer の2009年のデータを2012年版から使い回しています。そろそろ新しいデータに更新したほうがいいと思います。(現在は2013年のデータが公開されています。)

また、「N.A.」となっている品種の載せ続ける意味があるのでしょうか?Pl@ntgrape に載っている Pascal Blanc の栽培面積は 0.1 ha しかないのですが…。

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posted 2015-11-04

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