スペイン 2015年版教本

『日本ソムリエ協会教本2015年版』 p.271 にスペインの主なぶどう品種の2012年の栽培面積が載っていますが、マイナーな品種は栽培面積が大きくても表に入れてもらうことができないようです。

教本ではマイナーな品種とされている Listán Blanco de Canarias は Palomino Fino と同品種とされるので、Palomino 13,689 ha と Palomino Fino 2,179 ha の栽培面積を合わせた 15,868 ha に Listán Blanco de Canarias の 9,000 ha を足してもいいと思います。

p.272 で 黒ブドウ品種の栽培面積第2位がボバルBobalで、南東部の地中海沿岸のバレンシア州で主に栽培され と書かれていますが、2012年では Castilla-La Mancha での栽培面積が 37,582 ha 、Valenciana での栽培面積が 27,909 ha になっています。

「ワイン法の歴史」で、国が「ワイン法」(Estatudo del Vino)を制定したのは1932年だった。これに基づき、原産地呼称(Denominación de Origen デノナミシオン・デ・オリヘン)制度ができ、リオハを初め、ヘレス(シェリー)、マラガといった伝統的な産地が認定された。このワイン法が発効されたのは1933年で、フランスのA.O.C.原産地呼称制度が生まれた1935年より早い。 と書かれていますが、1933年のスペインのワイン法では(AOC のように)各ワイン産地で使われるぶどう品種や最大収量、ワインのスタイルなどが決められていたのでしょうか?

また、Rioja, Jerez, Málaga が DO に認定されたのは1932年か1933年のように読めますが、p.301-305 の一覧表では Rioja が DO に認定されたのは1947年、Jerez は1935年、Málaga は1937年になっています。どちらが正しいのでしょう。

p.273 の Denominación de Origen の説明に、ラベルには、原産地名とDenominación de Origenの表示をするが、二つだけ例外があり、シェリーはSherry(Jerez)のみでよく、発泡性ワインのカバもCavaだけでよいことになっている。 と書かれていますが、Manzanilla も例外に含まれると思います。

Vino de Pago の説明に、限定された面積の単一のブドウ畑で栽培、収穫されたブドウのみから造られるワインに認められる原産地呼称 と書かれていますが、道や林などで分断されていても単一畑になるのでしょうか?

航空写真ではいくつかの畑に分かれているように見える Vino de Pago もあるのですが…。

p.274 の DO Cava の説明に、カバ(Cava)は二次発酵を瓶内で行う製法により生産されるスパークリングワインのD.O.だが、この名前はカタルーニャ語の「洞窟」を意味し、特定の原産地の名称ではない。 と書かれていますが、Cava は産地名です。

カスティーリャ・イ・レオン州ブルゴス県にある生産者など、D.O.認定公布以前から生産開始の一部生産者が例外として認められている。 と書かれていますが、何を認められているのでしょう。

生産量の95%はカタルーニャ州に集中している。なかでも同州のバルセロナ県サン・サドゥルニ・デ・ノヤでその85%が生産される。 と書かれていますが、サン・サドゥルニ・デ・ノヤの生産量が多いのは Codorníu や Freixenet といった大ワイナリーがあるからで、ぶどうは各地から持ち込まれたものです。

DO Cava の主要品種として Monastrell が入っていますが、栽培面積は総栽培面積の 0.1 % にもなりません。黒ぶどう品種なら Pinot Noir の栽培面積が大きく主要品種に含めることができると思います。

p.277 の DOCa Rioja の説明に、リオハ・アルタ(全栽培面積の約50%) と書かれていますが、リオハ・アルタの栽培面積は全栽培面積の約 42 % になります。

p.278 でナバーラ州の主要ぶどう品種として Malvasia の名が上がっていますが、主要品種とするには栽培面積が小さいように思います。

p.279 の DO Campo de Borja の説明に、栽培面積の70%近くをガルナッチャが占め、「ガルナッチャ王国」とも称される。 と書かれていますが、近年の栽培面積は 55 % 前後にまで落ちています。「70%」というのは10年以上前のデータだと思います。

DO Somontano の説明に、1988年に原産地呼称に認定され と書かれていますが、原産地呼称に認定されたのは1984年だと思います。

p.283 の DO Monterrei の説明に、栽培品種は、白はゴデーリョが一番多く、黒はメンシアが主で、ガリシアの品種に限られている。 と書かれていますが、ガリシアの品種とは「ガリシア原産の品種」や「ガリシア固有の品種」の意味なのでしょうか?

Tempranillo も「ガリシアの品種」なのでしょうか?

p.285 の DO Penedés の説明に、バルセロナの南にあり と書かれていますが、DO Penedés はバルセロナの西に位置します。

p.286 にバレンシア州の主要ぶどう品種として Airén が載っていますが、バレンシア州で主要品種と言えるほど栽培されているのでしょうか?

p.289 にカスティーリャ・イ・レオンの主要ぶどう品種として Godello が載っていますが、総栽培面積の 0.1 % ほどしか栽培されていない品種を主要ぶどう品種というのは無理があるように思います。

p.291 の DO Arlanza と DO Tierra del Vino de Zamora の説明に、2008年にD.O.に認定された と書かれていますが、DO に認定されたのは2007年だと思います。

p.292 の DO La Mancha の説明に、1940年代からたくさん興された協同組合主導によるワイン生産が行われ、質より量を重視した低価格帯ワインやブランディなどの蒸留酒が生産の主体だったが、 と書かれていますが、DO La Mancha の規定には蒸留酒は含まれていないと思います。

p.293 の DO Almansa の説明に、この地域固有のガルナッチャ・ティントレラ と書かれていますが、Garnacha Tintoréra は Castilla-La Mancha で多く栽培されているものの他の地域でも栽培されています。

VP Dehesa del Carrizal の説明に、畑は26ha と書かれていますが、仕様書では 22.4283 ha になっています。

p.294 にエクストレマドゥーラ州の主要ぶどう品種として Ararije(アラリヘ)という名がありますが、Alarije のことだと思います。

p.295 の DO Condado de Huelva の説明に、1962年にD.O.に認定されて と書かれていますが、p.304 の一覧表では認定年が1964年になっています。

DO Jerez-Xérès-Sherry と DO Manzanilla Sanlúcar de Barrameda の説明に、ヘレス・デ・ラ・フロンテラ(Jerez de la Frontera)、サンルカール・デ・バラメーダ(Sanlucar de Barrameda)、エル・プエルト・デ・サンタ・マリア(El Puerto de Santa Mara)の3つの町を結ぶ三角地帯で熟成されたものだけがシェリーと名乗ることができる。 と書かれていますが間違っていると思います。熟成地と「三角地帯」は全く関係がありません。

p.297 で[タイプ]に Manzanilla:サン ルーカル・デ・バラメーダで熟成されるフィノタイプのワインのことをこう呼ぶ。 とありますが、Manzanilla は産地名なのでタイプではないと思います。

DO Montilla-Morilesの説明に、自然醗酵でアルコール度が15%ほどに至り、酒精強化の必要がない。それをもとにして、シェリーと同じように様々なタイプのワインができ と書かれていますが、Amontillado, Oloroso, Palo cortado などは酒精強化ワインになると思います。

Fino でも酒精強化をすることはできるのですし…。

p.298 でバレアレス諸島の「主なD.O.ワイン」として ビニサレムーマヨルカ(Binissalem-Mallorca) と書かれていますが存在しない DO です。DO Binissalem の間違いだと思います。

p.300 の DO Gran Canaria の説明に、ブドウ品種は白のリスタン・ブランコや黒のネグラモルなどカナリア諸島に根付いたもののみが認められている。 と書かれていますが、カナリア諸島に根付いている Cabernet Sauvignon, Merlot, Syrah などの品種は DO Gran Canaria では認められていません。

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posted 2015-12-21

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