教本執筆者の方がこのページをチェックされているので2021年版教本で間違いのいくつかは訂正されています。
主にスティル・ワインで認められた伝統的地理的表示の例
表に載っているのは「伝統的地理的表示」ではありません。出鱈目です。
表に載っているのは Protected Designation of Origin や Protected Geographical Indication という表記の代わりに使うことのできる「伝統的な用語」です。
Qualitätswein が地理的表示……。
主な義務記載事項
原産地
ではなく「原産国」
樽・タンク育成(木樽を使用しないこともある)
「木樽を使用しないこともある」という記述が、赤・ロゼ・白ワインすべてで使われていますが、ロゼワインの熟成で木樽が使われることはほとんど無いと思います。
白ワインでも木樽で熟成される割合は少ないでしょうし、赤ワインの多くも木樽で熟成されることは無いと思います。
約15,000haで、白ワインをゆっくり連続的に蒸溜して造る
15,000 ha という数値は何をあらわしているのでしょう。2018年の AOC Armagnac 用ぶどうの栽培面積は 1,961 ha しかありません。
15,000 ha という数値は2007年版教本から使われ続けています。統計データを見ると栽培面積は1995年の 11,007 ha から減り続けているので、1990年頃には栽培面積が 15,000 ha あったのかもしれませんが……。
Bas Armagnac(アルマニャック向けブドウ栽培面積の57%)
2018年のデータでは Bas Armagnac 用が栽培面積の 66.6 % を占めています。
Armagnac Ténarèze(アルマニャック向けブドウ栽培面積の40%)
2018年のデータでは Armagnac Ténarèze 用が栽培面積の 13.8 % を占めています。
57 %, 40 % という数値も2007年版教本から使われています。
Blanche Armagnac を除く4つのA.O.C.は
AOC として認められているのは Armagnac のみです。
Bas Armagnac, Haut Armagnac, Armagnac Ténarèze は AOC Armagnac の地理的名称(dénomination géographique)ですし、Blanche Armagnac も AOC ではありません。
後志地方の栽培面積は127.0ha
後志地方のワイン用ブドウの栽培面積の大半を占める余市町の「ワイン用ブドウの栽培面積は現在約133ha」という記述と矛盾している。
日本でも代表的なリアス式海外
リアス式海岸
古生代から中世代の堆積岩
???
岩手県内で使用されたブドウの量(醸造量とおぼ同じ)509t
おぼ!
「日本ワインの年間生産量は542kl」という記述と矛盾
1980年代初頭には10%ほどしかなかった赤ワイン用ブドウ品種の栽培面積は、世界的な赤ワインブームを背景に1995年には20%を超え
間違ってはいないのですが……。
白ワイン用ぶどう品種 | 赤ワイン用ぶどう品種 | |
1964年 | 85.1 % | 14.9 % |
1970年 | 85.3 % | 14.7 % |
1975年 | 87.6 % | 12.4 % |
1980年 | 88.6 % | 11.4 % |
1985年 | 86.8 % | 13.1 % |
単一畑は約5haから広くても百数十haである
1 ha ほどの単一畑は多くありますし、200 ha を超える畑も結構あります。
白ブドウ 合計 : 68,411 ha
表に載っている15品種と「その他の白ぶどう品種」を合わせた栽培面積が 68,411 ha になるということです。
Deutscher Wein Statistik にある資料をそのままコピペしたものなのですが……。
各特定ワイン生産地域は1地区から9地区のBereichに分かれ、全部で41のベライヒがある。ベライヒはさらに集合畑(Großlage)に分かれ、集合畑は複数の単一畑(Einzellage)からなる
特定ワイン生産地域の中にはベライヒに含まれない畑もあります。
ベライヒは複数の集合畑と「集合畑ではない畑」で構成され、集合畑は複数の単一畑と「単一畑ではない畑」で構成されています。
補糖の上限は以下の通り
3.0% vol = 24g/l
の 24g は 1 リットルのワインに含まれる 3.0 % vol. 相当のアルコールの重さだと思いますが、何故補糖に使われる砂糖の重さを表示しないのでしょうか?
Kabinett : 収穫時の果汁糖度が70〜82°Oe(エクスレ)を超えていること
Kabinett 用のぶどうに求められる最低果汁糖度は産地(gU)によって異なりますが 70-85° Oechsle〈エクスレ〉になります。
Spätlese : 収穫時の果汁糖度が76〜90°Oeを超えていること
Spätlese 用のぶどうは 80-95° Oechsle
Auslese : 収穫時の果汁糖度が83〜100°Oeを超えていること
Auslese 用のぶどうは 88-105° Oechsle
Beerenauslese : 収穫時の果汁糖度が110〜128°Oeを超えていること
Beerenauslese 用のぶどうは 110-130° Oechsle
BA Mosel にある gU Uhlen Blaufüsser Lay, gU Uhlen Laubach, gU Uhlen Roth Lay では 130° Oechsle になります。
Trockenbeerenauslese : 収穫時の果汁糖度は150〜154°Oeを超えていること
Trockenbeerenauslese 用のぶどうは 150-180° Oechsle
gU Uhlen Blaufüsser Lay, gU Uhlen Laubach, gU Uhlen Roth Lay では 180° Oechsle になります。
[Trocken]残糖値4g/ℓ以下か、総酸値と残糖値の差が2g/ℓ以下であれば9g/ℓまで
「残糖値と総酸値の差が2g/ℓ以下」というように「総酸値」と「残糖値」の順番を逆にしたほうがいいと思います。
主なブドウ畑 村名 ▶ 畑名
「地区名」であるところが「村名」と間違って書かれています。アール以外の産地の説明でもかなりの箇所が間違っています。
[村名 ▶ 畑名]
Wehlen, Bernkastel は Bernkastel-Kues に含まれる地区(Ortsteil)で村ではありません。
Maximin Grünhaus は Mertesdorf に含まれる地区(Ortsteil)で村ではありません。
Eitelsbach は Trier に含まれる地区(Ortsteil)で村ではありません。
Einzellage 128
Einzellage の数は 121 です。
BMEL - Weinbau - Bekanntmachung der geografischen Bezeichnungen für deutschen Wein からダウンロードできる PDFファイル(Bekanntmachung der geografischen Bezeichnungen für deutschen Wein)に Einzellage, Großlage Bereich のリストが載っています。
*印はヘッセン州条例で認められた、市町村の一部(Ortsteil)の名のみラベルに記載される例外的なブドウ畑で
Kloster Eberbach は Ortsteil ではありません。
ワイナリー(Steinberg, Schloß Johannisberg, Schloß Reichartshausen, Schloß Vollrads)とそれぞれの管理下にある畑がまとめて地区(Ortsteil)として登録されています。教本の書き方では誤解を招くと思います。
Steinberg, Schloß Johannisberg, Schloß Reichartshausen, Schloß Vollrads は Einzellage でないことに注意してください。
1971年のドイツワイン法ではリープフラウミルヒは特定の個性を持つ甘口白ワインとして規定された。
1971年のワイン法(Weingesetz)で Liebfraumilch の記述を見つけることができません。
ワイン法の何条に載っているのでしょう?
唯一バイエルン州に属する生産地域で
BA ヴュルテンベルクの一部もバイエルン州に属してるので、BA フランケンが唯一バイエルン州に属する生産地域というのは間違いになります。
ドイツでは一般に残糖 9g/l 以下が trocken(トロッケン)だが、ここでは独自基準で残糖 4g/l 以下が trocken とされ
一般的に残糖 4g/l 以下が Trocken です。酸が多いワイン(糖から酸の重量を引いたものが 2 g 以下)は例外として残糖 9g/l 以下まで Trocken とされます。
特産品種のグートエーデルはスイスではシャスラあるいはファンダンと呼ばれ、ドイツではここでしか栽培されていない。
2018年の栽培面積を見ると ここでしか
というのは大袈裟だと思います。主要な産地ではありますが……。
アルゼンチンにおけるブドウの新しい栽培適地を探す作業は、高度と緯度を同時に考慮にいれた複雑な選択であった。その結果、ブドウ畑は標高450mから標高2,980mに迫るまで、その差2,500m以上、気温にして16〜17℃も異なる広い範囲に位置することになった。
気温が高い畑が日中に 40℃ あるときに気温が低い畑は 23℃ しかないのでしょうか?
ウコ・ヴァレー : メンドーサ南西部
ウコ・ヴァレーはメンドーサ州北部、メンドーサ州の州都メンドーサの南南西に位置します。
教本の文脈では「メンドーサ南西部」は「メンドーサ州の南西部」を指しています。
ツヴァイゲルトを認可品種とするDACはノイジードラーゼーとロザリアである。
カンヌトゥムDAC でもツヴァイゲルトは認可品種です。
1923年にフリッツ・ツヴァイゲルト博士がブラウアー・ポルトゥギーザーとブラウフレンキッシュを交配して造りだした品種
たぶん、austrianwine.jp に載っているブラウアー・ヴィルトバッハー の説明を読んで書いているのだと思いますが、ツヴァイゲルト博士が造りだした品種というのは出鱈目です。
ブラウブルガー の説明が間違ってブラウアー・ヴィルトバッハーの説明に使われているだけです。(この間違いは日本語版だけのようです。)
ベルクワインとホイリゲの名称は使用可能
使用可能かも? Bergwein と Heuriger は Landwein と Qualitätswein でしか使うことができない伝統的表現です。
最も小さい栽培面積のDAC
教本に載っている 491 ha という数値はアイゼンベルク地区の栽培面積で、DACのものではありません。
Eisenberg DAC の栽培面積は分かりませんが、ワインの生産量から推測すれば Rosalia DAC のほうが栽培面積は小さいと思います。
2017年にDAC産地となった
2018年なのでは?
シルヒャーにはスティルとスパークリングがあるが、ブラウアー・ヴィルトバッハーからは濃厚で野性的な赤ワインも造られる。
Weststeiermark DAC では赤ワインは造られないと思います。
また、Weststeiermark DAC ではスパークリングワインの製造が認められていないと思います。法律が変わったのでしょうか?
ブルガリアには2,000を超える土着品種がある。白ブドウではミスケット・チェルヴェン、ディミャット、黒ブドウではパミッド、メルニック、マヴルッド、ガムザなどが古代品種として知られる
ブルガリアの品種リストに載っている品種はメルロなど外来品種を含めても200に届きません。2,000ある土着品種の名前は何に載っているのでしょうか?
また、古代品種とは何なのでしょう。古代から栽培されているということなのでしょうか?
ブルガリアで古代から栽培されていることがどうして分かるのでしょう。
triple-varietal : 主要品種が3種の場合、合計が90%かつ2番目に多い品種が15%以上、3番目に多い品種が10%以上使用されていること
95 % 以上
土着品種は約130種類ほどあるが、実際に使われているのは約30ほど
使われていない残りの100品種はどこにあるのでしょうか?
最大面積を誇るのが、グラシェヴィナで全体の23%を占める
p.241 の表ではグラシェヴィナの栽培比率は 31.4 % になっています。
その他 218 ha
218 ha は白ぶどう品種 Trbljan の栽培面積です。
EUの原産地呼称保護(PDO)に基づき、3つのリージョン、12のサブリージョン、66のVinogorjaが制定されている
リージョン、サブリージョン、Vinogorja の制定と原産地呼称保護は関係ありません。
フランスやドイツの品種を導入することなく、固有品種と昔からの栽培方法を守り続けてきた
フランスやドイツの品種も栽培されています。
モラスヴィーナの主要なぶどう品種
Centralna i Jużna Dalmacija
Centralna i Jużna Dalmacija ではなく Srednja i Južna Dalmacija だと思います。
Google 翻訳で「言語を検出する」と Centralna はスロベニア語として検出され、クロアチア語では無いようなのですが……。
Fino : アルコール度15〜18%
Fino に求められるアルコール度数は 15-17 % vol. です。
Manzanilla : アルコール度15〜19%
Manzanilla に求められるアルコール度数は 15-17 % vol. です。
Binissalem-Mallorca
Binissalem-Mallorca という DO は存在しません。
D.O.Binissalem と略すことも認められている
とも書かれていますが、Binissalem が正式な産地名です。
ブドウ品種は白のリスタン・ブランコや黒のネグラモルなどカナリア諸島に根付いたもののみが認められている
カナリア諸島に根付いている Cabernet Sauvignon, Merlot, Syrah は DO Gran Canaria では認められていません。
Chacolí de Getaria : B, R, Rs, Sp, Vendimia Tardía
DO Chacolí de Getaria では Vino Espumoso と Vendimia Tardía の製造は認められていません。
DO Chacolí de Bizkaia と DO Chacolí de Álava でも Vino Espumoso と Vendimia Tardía の製造は認められていません。
仕様書に書かれているのは DO の畑として登録された畑から収穫されたぶどうを使って造られたエスプモソとベンディミア・タルディアは Getaria, Bizkaia, Álava という地名を使ってワインを販売することができるということだけです。
プリオラート
ワインのタイプとしてヘネロソ(Ge)が載っていますが DOCa Priorato では Generoso は造られていません。
ヘレス・ケレス・シェリー
ワインのタイプがヘネロソ(Ge)のみになっていますが Moscatel や Pedro Ximénez は Generoso ではありません。
アメリカのワイン法は1978年に制定され
現在のワイン法(Wine Laws, Regulations, and Public Guidance)のベースになっているのは Federal Alcohol Administration Act of 1935 なのでは?
1920-1933年の禁酒法も言ってみればワイン法です。酒類の販売・製造を規制しながら条件を付けてワインの製造を認めていたのですから……。
テーブルワイン : 発酵の過程での糖分添加は禁止されている
アメリカのワイン法では補糖は認められています。
カリフォルニア州では補糖は禁止されていますが、ニューヨーク州のような環境があることを考えれば、アメリカ全土で補糖が禁止されているのがおかしいと思いそうなものですが……。
ブドウ畑の総面積は744,812ha、ワインの生産量は非商品化分を除き47,695,227hl
フランスの栽培面積と生産量には2018年のデータが使われていますが、地方や地区の説明では主に2016年のデータが使われています。ボージョレ地区は2013年
データを更新するのが面倒だったのでしょうが……。
ユニ・ブラン : シャラント、南西地方、ボルドー、プロヴァンス、コルシカ島
ボルドーとコルシカ島をユニ・ブランの「主な栽培地」というのは無理があると思います。
ルーサンヌ : ローヌ、サヴォワ
サヴォワをルーサンヌの「主な栽培地」というのは無理があると思います。ローヌとラングドックが主要な栽培地になります。
モーザック : 南西地方
南西地方だけでなくラングドックも主要な栽培地です。
フォル・ブランシュ : ロワール、シャラント、南西地方
シャラントと南西地方をフォル・ブランシュの「主な栽培地」というのは無理があると思います。
テレ・ブラン : ローヌ、ラングドック
ラングドックがテレ・ブランの主要な栽培地です。
シャスラ : アルザス、ロワール、サヴォワ、南西地方
アルザスをシャスラの「主な栽培地」というのは無理があると思います。
シャサン : 交配品種 Listan × Chardonnay
Chardonnay は Chasan の親ではないようです。
カリニャン : ラングドック、ルーション、プロヴァンス、コルシカ島、南部ローヌ
コルシカ島をカリニャンの「主な栽培地」というのは無理があると思います。
ムニエ : シャンパーニュ、ロワール、ロレーヌ
ロワールとロレーヌをムニエの「主な栽培地」というのは無理があると思います。
ミュスカ・ド・アンブール : プロヴァンス、南西地方
南西地方?
ピノ・グリ : アルザス、サヴォワ
サヴォワ?
グルナッシュ・グリ : 南部ローヌ、ルーション
南部ローヌ?ラングドックは?
オーバン : 南部ローヌ、ラングドック、ルーション、南西地方、プロヴァンス、コルシカ島
たった 375 ha の栽培面積で「主な栽培地」がこれほど多くあるのでしょうか?
ヨンヌ県、コート・ドール県、ソーヌ・エ・ロワール県、ローヌ県内の指定されたコミューン(市町村)で造ることができる
主要なA.O.C.ワインとして Bourgogne Aligoté の名がありますが、AOC Bourgogne Aligoté の生産区域にローヌ県は含まれていません。
また、Bourgogne Gamay という AOC はありません。
Blanchot, Bougros, Les Clos, Grenouilles, Preuses, Valmur, Vaudésir(掲載順は1938年1月13日付の政令に準ずる)
1938年1月13日付の政令では Vaudésir, Preuses, Les Clos, Grenouilles, Bougros, Valmur, Blanchot の順になっています。
参考ページ : Twitter
表 I ボージョレ地区 AOC の栽培面積と生産量
何年のデータか表には書かれていませんが2007年版教本から使われているデータです。
何十年前のデータが使われているのでしょう?
19世紀末には20,000haあったとされるジュラのブドウ畑は、フィロキセラ禍により絶滅の危機に瀕した後復活
教本の記述だとジュラでフィロキセラが広がったのは20世紀になってからだと読めますが、Vignoble localisé essentiellement dans le Jura には1879年にジュラでもフィロキセラが見つかったように書かれています。
ちなみに、『The Oxford Companion to Wine 3rd Edition』には19世紀初頭で 20,000 ha の栽培面積があったように書かれています。
ブドウ栽培面積3,377ha
栽培面積が間違っています。
主要なA.O.C.ワイン Côtes de Provence
2019年8月に追加された地理的名称(Notre-Dame des Anges)が載っていません。
2021年版では追加されるでしょう。
資料 面積・生産量
異なる年のデータが混在していますが、ひとつの年に揃えることはできないのでしょうか?
基本的には2007年版教本のコピペです。
クリュ・ド・ラングドック
教本に載っているクリュ・デュ・ラングドックは2019年版教本のコピペです。twitter.com
1855年4月18日に発表された格付けでは、第一級に4シャトー、第二級に12シャトー、第三級に14シャトー、第四級に11シャトー、第五級に16シャトーの計57シャトーが選ばれた
1855年の格付けでは二級に12のワインが選ばれていますが、Léoville として販売されていたワインは3つのシャトー(醸造所)で造られていたのでは?シャトーの数というのであれば14シャトーになると思います。
ちなみに五級の16シャトーという数字は Cantemerle を含まない数です。
1973年にシャトー・ムートン・ロッチルドが第二級から第一級への昇格を果たした
1855年と1973年の格付けは別のものなので「昇格」をすることはありません。1973年の格付けでは5つのシャトーが一級に選ばれています。
一級のプルミエ・クリュに10、二級のドゥジエーム・クリュに11の21シャトーが選ばれた
二級には11のワインが選ばれていますが、Broustet で造られたワインも Nérac で造られたワインも「Broustet Nérac」として販売されていたので、シャトー(醸造所)の数としては12になります。
参考ページ : Gironde Vins Blancs Classés de la Gironde 1855
Côtes de Blaye : 2020年の収穫まで
以下の規定(Mesures transitoires - Aire délimitée parcellaire)を勘違いしているのでは?
Les parcelles plantées en vigne avant le 31 mai 1991 et exclues de l’aire parcellaire délimitée par le comité
national compétent de l’Institut national de l’origine et de la qualité en séance du 31 mai 1991 continuent à
bénéficier, pour leur récolte, du droit à l’appellation d’origine contrôlée jusqu’à leur arrachage et au plus tard
jusqu’à la récolte 2020 incluse, sous réserve de répondre aux autres dispositions du présent cahier des
charges.
Blaye : 2020年の収穫まで
2021年版教本から AOC Côtes de Blaye と AOC Blaye は消えるのだろうか?
20のPDO (Protected Designation of Origin)が登録されている
20のワイン産地は ადგილწარმოშობის დასახელების (Appellation of Origin) として認められているが、PDO としては認められていない。
たぶん……。
チャチャと呼ばれる果汁、果皮、茎、種と一緒にクヴェヴリに入れて発酵させ、……。翌年の春にチャチャを分離し、
チャチャはぶどうの「搾りかす」だと思います。
搾りかすにも果汁は含まれているのでしょうが……。
参考ページ : チャチャ Google 翻訳
産地は北緯34〜41.5度に広がっている
北緯34度は海上
ナウサは1971年にギリシャで最初に原産地呼称の認定を受けた最も重要な産地
1970年に Samos がギリシャで最初の原産地呼称 ΟΠΕ として認められています。
認定年月日 | 階級 | 産地名 |
---|---|---|
1970年10月20日 | ΟΠΕ | Samos / Σάμος |
1971年5月22日 | ΟΠΕ | Mavrodaphne of Kefalonia / Μαυροδάφνη Κεφαλληνίας |
ΟΠΕ | Mavrodaphne of Patra / Μαυροδάφνη Πατρών | |
ΟΠΕ | Muscat of Kefalonia / Μοσχάτος Κεφαλληνίας | |
ΟΠΕ | Muscat of Patra / Μοσχάτο Πατρών | |
ΟΠΕ | Μuscat of Rio Patra / Μοσχάτος Ρίου Πάτρας | |
ΟΠΕ | Muscat of Rodos / Μοσχάτος Ρόδου | |
1971年7月16日 | ΟΠΑΠ | Limnos / Λήμνος |
ΟΠΕ | Muscat of Limnos / Μοσχάτος Λήμνου | |
ΟΠΑΠ | Naoussa / Νάουσα | |
ΟΠΑΠ | Rodos / Rhodes / Ρόδος | |
ΟΠΑΠ | Sitia / Σητεία |
ΟΠΕ はフランス語の Appellation d'Origine Contrôlée (AOC) に該当し、ΟΠΑΠ は Appellation d'Origine de Qualité Supérieure (AOQS) に該当します。
2016年版以前の教本では ΟΠΕ は OPE と、ΟΠΑΠ は OPAP と表記されていました。
Malvasia Candia, Malvasia Sitia : マルヴァジア種。いずれも天日干ししたブドウから造られる甘口ワイン。
PDO Malvasia Χάνδακας-Candia の主要ぶどう品種は Assyrtiko, Athiri, Liatiko, Thrapsathiri, Vidiano(Liatiko だけ黒ぶどう品種)
PDO Malvasia Sitia の主要ぶどう品種は Assyrtiko, Athiri, Liatiko, Thrapsathiri
Protected Designation of Origin (PDO) は保護された原産地名称の英語表記で、ギリシャ語表記では Προστατευόμενη Ονομασία Προέλευσης (ΠΟΠ) になります。ソムリエ試験ではギリシャ語表記の ΠΟΠ は使われません。
栽培面積合計 : 24,000ha
各 OEM のブドウ栽培面積を足すと 27,207 ha になります。
主要ブドウ品種 : ハールシュレヴェリュ、オラスリズリング、マスカット・オットネル、シャルドネ、ゼニット、イルシャイ・オリヴェール、チェルセギ・フューセレッシュ、シャルーガ・ムシュコータイ、ソーヴィニヨン・ブラン、トラミニ
OEM Debrői Hárslevelű の主要ぶどう品種は Hárslevelü で 85 % 以上を使用。
10世紀から人が住み始め、11世紀には有名な土地となっていた
10世紀より前に人は住んでいなかったのでしょうか?Wikipedia には石器時代から人が住んでいたように書かれていますが……。
当初ビカヴェールはナジ・ブルグンディ(ケークフランコシュ)、ケークオポルト、カダルカの刺激的なブレンドであったが、カダルカはその後外され
栽培面積の減少に伴って使用比率が減っているだけで、今でもカダルカはビカヴェールに使われています。
栽培面積合計 : 7,900ha
各 OEM のブドウ栽培面積を足すと 15,076 ha になります。
現在スロヴァキアでトカイと名乗れる産地名はKistoronyaとSziliskeという畑名の2つ
Sziliske は Szőlőske の間違い?
スロバキアのワイン産地 PDO Vinohradnícka oblasť Tokaj を構成する村は7つ(Bara, Čerhov, Černochov, Malá Tŕňa, Slovenské Nové Mesto, Veľká Tŕňa, Viničky)あります。
教本の書き方だと PDO Vinohradnícka oblasť Tokaj を構成するのは2つの畑(Kistoronya, Sziliske)だけのように読めますが……。
Esszencia : 貴腐ぶどうのフリーランジュースからのみ造られる
Esszencia は綴り間違いで、正しくは Eszencia です。p.511 [トカイワインの品質区分と数値基準]では正しく Eszencia と書かれているのですが……。
Fordítás : アスー用ワインの二番搾りの果汁にマストを加えて再発酵、熟成させたワイン
アスーの搾りかすにマストやワインを加えて発酵・熟成させたものが Fordítás になります。p.511 の下にある表では正しい説明がされているのですが……。
Máslás : 英語の"コピー"の意味。アスー、またはフォルディターシュ用のワインの搾り澱に、マストないしはワインを注ぎ、再発酵、熟成させたもの
アスーやサモロドニの滓(おり、沈殿物)にマストやワインを加えて発酵・熟成させたものが Máslás になります。こちらも下の表では正しい説明がされています。
「搾り澱」って何?
品種別栽培面積の表
Vermentino ヴェルメンティーノの栽培面積が 4,562 ha になっていますが 5,046 ha の間違いです。2010年の統計では Pigato と Favorita が別品種として集計されているので、それぞれの面積を足す必要があります。
Sangiovese サンジョヴェーゼ の栽培面積も 71,558 ha ではなく、Grechetto Rosso と Prugnolo Gentile の栽培面積を足して 71,668 ha にする必要があります。
Cannonau カンノナウ の栽培面積も 5,422 ha ではなく、Alicante と Tocai Rosso の栽培面積を足して 6,447 ha にする必要があります。
栽培面積が 2,599 ha ある白ぶどう品種の Biancame が表から抜けています。
イタリアワインのピラミッド
日本語訳が出鱈目で階層の上下関係もおかしなものになっています。
Vigna はぶどう園ではなく、個々の「ぶどう畑」をあらわすのに使われる用語ですし、Microzona は Vigna と同等か、より小さな区画をあらわすのに使われると思います。
Fattoria は醸造所ではなく「農場」です。
Frazione は小村や部落に該当し、Wikipedia には分離集落として載っています。市町村の1地区と言えるのかも知れませんが……。
Sottozona は地域というより「地区」と訳すほうが妥当だと思うのですが……。
D.O.P. | Vigna ぶどう園名 |
Fattoria 醸造所名 | |
Microzona 区画名 | |
Frazione 地区名 | |
Comune 市町村名 | |
Sottozona 地域名 | |
D.O.P. ワイン | |
I.G.P. | Indicazione Geografica Protetta(I.G.P.) |
Vino | Vino |
醸造期間は醸造開始後10日以内でなければならない
ヴィーノ・ノヴェッロは醸造期間を10日以内にすることはできないのでは?
Il periodo di vinificazione non può essere inferiore a giorni dieci dall’inizio della vinificazione stessa.
ワインの生産量は全州中では最も少ないが、22品種のブドウで多彩な個性のあるワインを造っている
Valle d'Aosta〈ヴァッレ・ダオスタ〉州で認められているワイン用ぶどう品種は38品種あり、2010年の統計には50品種の栽培面積が載っています。
DOC Valle d'Aosta〈ヴァッレ・ダオスタ〉で使うことができるぶどう品種は20品種。たぶん
ヴァッレ・ダオスタ州のD.O.P.
地図に Arnaz というコムーネが載っているのですが、現在は Arnad と呼ばれているようです。
イタリア語ではブドウ品種は男性形であるが、唯一バルベーラは女性形で「ラ・バルベーラ」と呼ばれ愛されている
ワイン産地の仕様書で冠詞として La が付いている品種には la Croatina, la Bonarda, la Malvasia, la Vespolina などがありますが、これらの品種名は女性名詞ではないのでしょうか?
法定熟成期間は収穫年の翌年の1月1日より3年間(うち木樽熟成2年)
木樽熟成は18ヶ月以上
認定年 1990
DOCG Gattinara(DPR 20.10.1990, G.U. 59 - 11.03.1991)の認定年は1991年です。
註 : 教本では「官報の公示日」が認定年月日になります。
アルコール12.5%以上で法定熟成期間は3年間(うち木樽熟成1年)で、リゼルヴァは13%以上で4年(うち木樽熟成2年)
ガッティナーラに求められる熟成期間は11月1日から35ヶ月(うち木樽で24ヶ月)、リゼルヴァは47ヶ月(うち木樽で36ヶ月)です。
アルコール12%以上で法定熟成期間は3年間(うち木樽熟成20ヶ月、瓶内熟成9ヶ月)、リゼルヴァは12.5%以上で4年(うち木樽熟成25ヶ月、瓶内熟成9ヶ月)
ゲンメに求められる熟成期間は11月1日から34ヶ月(うち木樽で18ヶ月、瓶内で6ヶ月)、リゼルヴァは46ヶ月(うち木樽で24ヶ月、瓶内で6ヶ月)です。
Rosé は Pinot Nero を25%以上使用しなければならない
Pinot Nero は 35 % 以上
Apassimentoアパッシメント
Appassimento
教本では p がひとつ抜けています。
約50haの総面積に10軒程度のワイナリーが1200hlのワインを生産している
50 ha や 1,200 hl という数値は Rosazzo が DOC Colli Orientali del Friuli の1地区だった時のもので、V.Q.P.R.D. D’ITALIA のデータを見ると栽培面積も生産量も半分以下になっているようです。
ちなみに 50 ha や 1,200 hl という数値は2012年版教本からのコピペです。
Montepulciano d'Abruzzo Colline Teramane : 最低熟成期間は24カ月(うち木樽熟成12カ月、瓶内熟成6カ月)を要する
DOCG Montepulciano d'Abruzzo Colline Teramane の熟成期間は基準日の11月1日から1年間で、2ヶ月の瓶内熟成を要します。
ちなみに、リゼルヴァは3年の熟成(木樽で1年、瓶内で2ヶ月)
ヴァルポリチェッラ
品種として Molinara
の名があがっていますが、Molinara は単独では DOC Valpolicella の認可品種に入っていません。
Valpolicella Ripasso でも認可品種ではありません。
オルヴィエート
品種として Grechetto, Trebbiano Toscano, Procanico
の名があがっていますが、Procanico は Trebbiano Toscano のシノニムのひとつです。
生産者の9割以上が、畑面積1ha以下の小規模生産者であり、平均畑面積は0.3ha。ワイン生産量は2018年625,000hl
畑面積 1 ha 未満の小規模生産者の平均畑面積は 0.19 ha。畑面積がちょうど 1 ha になる生産者がどれほどいるのか分かりませんが、教本の 0.3 という数値は間違っていると思います。
スロヴェニアでは国際品種・土着品種含め、48種類の品種が栽培されている
48品種というのは出鱈目です。
Jagodni Izbor=ベーレンアウスレーゼ(エクスレ度128以上)
各 PDO の仕様書では最低エクスレ度は以下のようになっています。
統制保証原産地で造られるZGPのワインの中でも、伝統的に造られているワイン
PTP は ZGP のワインではありません。
4地区それぞれにひとつずつ大手ワイナリーがあるが、イタリア国境沿いのブルダ地区は …… 約40の小規模ながら水準の高いワイナリーがある
21年前に発行された1999年版教本にも同じことが書かれていましたが現在も「4地区それぞれにひとつずつ大ワイナリーがある」のでしょうか?
地理的表記以外にも、伝統的製法や特定のブドウ品種を使用したワインがA.O.C.として認定されている
AOC ではなく Dénominations traditionnelles として認められています。
Dôle(赤) : ピノ・ノワールを主体にガメイや他の赤ワイン品種をブレンドしたワイン
Dôle はピノ・ノワール 100 % かピノ・ノワール主体でガメイと合わせて 85 % 以上を使って造られます。
ヴァレー州 地図
swisswine.ch の Interactive maps と比べると教本に載っている産地の位置にはおかしなものがいくつかあります。
posted 2020-05-27, update 2021-03-20
posted by katabami