ワインエキスパートに教わるワイン入門
ブルゴーニュワインのリュー゠ディ、クリマ、クリュの関係
リュー゠ディ、クリマ,クリュの関係を詳しく教えてください。
基本的な用語の定義
| 用語 |
定義 |
| リュー・ディ(Lieu-dit) |
地籍上の地名。フランスの区画台帳(cadastre)や地図に記載される、地形や歴史に由来する地名で、ワイン生産に限らない一般的な土地の呼称。 |
| クリマ(Climat) |
歴史的・伝統的に特定のブドウ畑を指す用語。ブルゴーニュ特有の概念で、土壌、微気候、地勢、歴史などから明確に区別され、特定のスタイルや品質のワインを生み出す畑を指しています。 |
| クリュ(Cru) |
AOC の中で品質水準が特に高いと認められた畑(またはその畑のワイン)を指す呼称で、ブルゴーニュでは主に「Premier Cru」「Grand Cru」として用いられます。すべてのクリマがクリュになるわけではありません。 |
各用語の関係性
ブルゴーニュでは以下の関係性が成立します。
- リュー・ディ(区画台帳に記載される地名単位)は地籍管理に用いられる基本的な地名単位であり、多くの土地に付けられた区画名ですが、すべての土地が必ずリュー・ディ名を持つわけではありません。
- クリマはリュー・ディなど既存の地名区分を参照しつつ、ブドウ栽培に適した土地が歴史的・文化的観点から選び分けられたワイン生産上の区画単位です。1つのクリマが複数のリュー・ディにまたがる場合もあれば、1つのリュー・ディの一部だけがクリマとして扱われる場合もあります。
- クリュは、AOC の中で「Premier Cru」「Grand Cru」などの上位区分として位置づけられた畑(またはそのワイン)を指します。ブルゴーニュでは、多くの場合、特定のクリマまたは複数のクリマの集合がクリュとして指定されますが、すべてのクリマがクリュになるわけではありません。
実例(ヴォーヌ・ロマネ村)
ヴォーヌ・ロマネ(Vosne-Romanée)村を例に取ると以下のようになります。
| 種類 |
実例 |
| リュー・ディ |
Les Gaudichots(レ・ゴーディショ)など |
| クリマ |
Aux Malconsorts(オ・マルコンソール)、Clos des Réas(クロ・デ・レア)など |
| クリュ |
Romanée-Conti(ロマネ・コンティ)、La Tâche(ラ・ターシュ)など(いずれも特級畑) |
具体的には、Les Gaudichots というリュー・ディの一部が Grand Cru La Tâche の一部に編入され、残りの部分が現在の Vosne-Romanée Premier Cru “Les Gaudichots” というクリマとして残っています(古い文献では Aux Gaudichots と表記されることもあります)。
UNESCO世界遺産との関係
2015年にブルゴーニュのブドウ畑が「クリマ」の概念を中心としてユネスコ世界遺産に登録されました。その登録対象はクリマが持つ文化的・歴史的価値であり、特に以下が評価されています。
- 各クリマの歴史的な区分と区別
- ワインの品質や特性に反映される微細な土地の差異(テロワール)
- 長期間にわたり区画を守り伝えてきた伝統と文化
Les climats du vignoble de Bourgogne, climats de Bourgogne, vignoble de bourgogne
リュー・ディはぶどう畑だけでなく、街中の土地にも付けられているのですか。
はい、リュー・ディ(Lieu-dit)はブドウ畑に限らず、街中や農地、森林などさまざまな土地に付けられる地籍上の地名です。
リュー・ディとは何か
- 「Lieu-dit(リュー・ディ)」はフランス語で「そう呼ばれている場所」という意味で、フランスの区画台帳(cadastre)や地図に記載される地名単位にあたります。
- 土地登記簿(cadastre)や地図上に記載されており、ブドウ栽培に限定された名称ではありません。
適用範囲
| 用途 |
内容 |
| 農地 |
畑、牧草地、果樹園など。ブドウ畑も含まれます。 |
| 森林 |
林や森の一部にも名称が付けられています。 |
| 都市部 |
街中の区画や通りの一角にもリュー・ディの名称が見られます。特に旧村落やかつての地名がそのまま残っている例が多くあります。 |
| その他 |
河川敷、丘、窪地、古道など、地形や歴史に由来した名称も多数あります。 |
ワインとの関連における違い
- ワインの文脈で「リュー・ディ」と言う場合、ブドウ畑において特定の地籍名を持つ区画を指します。
- ただし、地籍上のリュー・ディとワイン用の区画(クリマ)は必ずしも一致するとは限りません。
- 1つのクリマが複数のリュー・ディをまたぐこともあれば、その逆もあります。
都市部のリュー・ディの実例
- ブルゴーニュの都市部(例:ボーヌやディジョン)でも、旧地名がリュー・ディとして登記簿に残っていることがあります。
- 現在は住宅街や市街地になっていても、郵便住所や地図にリュー・ディ名が表示されている例があります。
ブルゴーニュではクリマとテロワールの結びつきがよく語られますが、クリマの境界は実際にテロワールによって定められたのでしょうか。
クリマの境界は必ずしもテロワールに基づいて定められたわけではありません。
ブルゴーニュでは、「クリマ=テロワール」と語られることが多くありますが、実際には、クリマの境界が最初から科学的なテロワール(地質・地形・気候)の分析によって定められたわけではありません。
歴史研究の多くは、まず「耕作や所有の単位」として土地が区切られ、その後にワインの品質評価や個性が整理されるなかで、現在のようなクリマの概念が徐々に確立していった、とみなしています。
クリマの成立過程
- 中世の耕作単位が出発点
- 中世には修道院や農家がブドウ栽培を広げるにあたり、まず耕作や管理がしやすい範囲で土地を分けることが優先されました。
- 労働力や農機具が限られていた時代には、効率的な区画が不可欠であり、実用的な耕作単位が基礎となったと考えられます。
- リュー・ディという地籍上の区分が先にあり
- 土地にはもともとリュー・ディ(Lieu-dit)という地籍名が付けられており、ブドウ畑に限らず、農地や森林、街中にも広く使われていました。
- こうした地籍上の区分が先に存在し、その中でワインの個性や品質が注目されていったことで、クリマという伝統的な畑単位が意味づけされていきました。
- 品質の違いが経験的に認識されていった
- 時代が進むにつれ、特定の区画が他と異なる特徴のワインを生むことが経験的に知られるようになり、それがクリマの名と結びついて定着していきました。
- その結果、ブルゴーニュでは「地名=ワインの個性」として認識される文化が形成されたのです。
テロワールとクリマの関係は一対一ではない
- 現代の研究からも、同じクリマ内でも土壌構成や斜面の向きが異なる場合があり、ワインの味わいに差が出ることがあります。
- 現代の土壌・地形調査を見ると、もし純粋に科学的なテロワール分析だけを基準に区画しなおした場合、現在のクリマよりも細かい単位に分割され得る、という指摘もあります。
ただし、そのような極端な細分化はブランド形成や販売の観点からは必ずしも望ましくないため、歴史的にはある程度の広さをもつ区画が維持されてきた、と解釈する研究者もいます。
結論
ブルゴーニュのクリマの境界は、当初からテロワールに基づいて定められたのではなく、歴史的に耕作や所有の単位として区切られた土地があり、そこに後から品質評価や個性が見いだされていったものです。
テロワールという概念は、そうした区画に後から意味を与えるための手がかりとして機能してきました。
アルザスのグラン・クリュでは「クリマ」よりも「リュー゠ディ」という区画名が重視されていますが、「クリマ」という概念はブルゴーニュで特に強く意識されているのでしょうか?また、他のワイン産地では
ブルゴーニュにおける「クリマ」の特異性
ブルゴーニュでは、「クリマ(Climat)」という概念が非常に重要視されています。この地域では、地籍上の「リュー・ディ(Lieu-dit)」よりも、歴史的・文化的に区別された区画単位である「クリマ」のほうが、より強く意識されています。
- ブルゴーニュにおける「クリマ」は、単なる土地の区画ではなく、「テロワール(気候・土壌・地勢)とそこから生まれるワインの特性」を含む、歴史的・文化的概念になっています。
- この独自の概念があることが評価され、2015年にはユネスコの世界遺産(「ブルゴーニュのクリマ」)にも登録されています。
アルザスにおける「リュー・ディ」の位置付け
一方、アルザスの「グラン・クリュ(Grand Cru)」では、ブルゴーニュのように「クリマ」という言葉はほぼ使われず、地籍名である「リュー・ディ」のほうが重要視されています。
- アルザスでは、歴史的に特定された区画(多くは既存のリュー・ディ)を精査し、その一部が Alsace Grand Cru を名乗る 51 の区画として認定されています。
- ブルゴーニュのように「Climat」という語が制度上のキーワードとして用いられることはほとんどなく、代わりにリュー・ディの名前がそのままグラン・クリュの名称として機能しています(ただし、テロワールを重視する文化自体はアルザスにも存在します)。
他のフランスの産地における状況
フランスの他のワイン産地では、区画名の概念の使い方に違いがあります。
| 産地 |
主な区画概念 |
特徴・位置付け |
| シャンパーニュ |
リュー・ディ |
地籍上の区画名(小字名)が伝統的に使われており、特にシャンパーニュの特定区画(単一区画キュヴェなど)の表記に活用されています。「クリマ」の概念は通常用いられません。 |
| ボルドー |
シャトー(生産者名主体) |
土地の区画(リュー・ディ)は存在しますが、シャトー名(生産者)がブランドの中心となり、区画名はあまり重視されません。「クリマ」も用いられません。 |
| ロワール |
リュー・ディ |
伝統的にリュー・ディが使われる例がありますが、ワイン名に区画名を明示的に用いることは比較的少数です。「クリマ」の概念は一般的ではありません。 |
| ローヌ |
リュー・ディ |
特に北部(コート・ロティやエルミタージュなど)で著名な区画(リュー・ディ)名を表示する例があります。「クリマ」の概念はありません。 |
これらを見ても、「クリマ」の概念はブルゴーニュ特有のものであり、他の地域ではあまり用いられず、区画単位としては「リュー・ディ」が一般的に用いられるか、または生産者単位のブランド名が主流となっています。
「クリマ」の概念がブルゴーニュで特に強調される理由
- ブルゴーニュでは修道院を中心に土地ごとの特性(ワインの個性)が非常に早くから経験的に分類され、文化的・歴史的に区画の特性が受け継がれました。
- 長期間にわたり畑ごとに異なる個性が守られ、歴史的に命名されてきたことが「クリマ」という独自の文化を生み出しています。
- 他地域にはこのような特異な区画文化が成立しなかったため、地籍名(リュー・ディ)やシャトー名に区画名が集約されています。
ブルゴーニュでは畑の所有者が変わるなどして1区画のリュー゠ディがいくつものパーセルに分けられていますが、パーセルごとにテロワールを語ることはできるのでしょうか?
テロワールを語るのであれば、テロワール単位でパーセルをまとめ直し、「クリマ」として再構築する方が理にかなっていると思うのですが
リュー・ディの分割とパーセルの関係について
ブルゴーニュでは、多くのリュー・ディ(地籍上の小字)が歴史的に複数の所有者によって分割され、それぞれがパーセル(parcelle、小区画)として耕作されています。
- 同じリュー・ディ内でも、土地の所有者や生産者によって耕作方法が異なることがあります。
- 一つのリュー・ディが複数のパーセルに分かれると、それぞれの畑の管理方法(ブドウの仕立て方、収穫タイミングなど)に違いが生じ、ワインの個性にも微妙な差が生まれる可能性があります。
パーセルごとにテロワールを語れるか?
パーセル単位でもテロワールを語ることは理論的には可能です。
実際、以下の要素によりパーセル間に細かなテロワール差異が存在することもありえます。
| 要素 |
パーセル間の差異の例 |
| 土壌 |
粘土や石灰質の含有量、深さ、排水性の違い |
| 斜面の方位や傾斜 |
日照条件や排水の良さが微妙に異なる |
| 微気候 |
風通し、気温差、霜害の頻度 |
これらにより、同一リュー・ディ内のパーセル間でも微細な差異が存在します。
しかしながら、現実的に言えば、パーセル間の違いはあまりにも微細であり、次の理由から個別にテロワールを語ることは難しい側面もあります
パーセルをテロワール単位で再編し「クリマ」として再構築することの妥当性
理論的に考えれば、テロワールに基づいてパーセルを再編し、「クリマ」として再構築することは確かに妥当な発想です。
以下のようなメリットが考えられます。
- テロワールの特徴がより正確に反映され、ワインの個性が明確化される。
- 消費者にとって、より理解しやすい形でブルゴーニュのワインを伝えられる。
ブルゴーニュにおける「クリマ」の現実的運用
ブルゴーニュでは「クリマ」は、もともと科学的にテロワールごとに厳密に線引きされたわけではなく、歴史的・文化的な側面が強い単位です。そのため、実務的には以下のようになっています。
- 既存のクリマという単位を守りつつ、その範囲内でより細かくテロワールの特性を理解しようと試みています。
- 生産者はクリマ内の個々のパーセルの特徴を活かし、異なるキュヴェを造ることで、現実的な「テロワールの差異」を表現しています。
つまり、現在の仕組みはクリマの概念を維持しながら、生産者ごとにテロワールの微細な違いを細やかに表現する方法が採られているといえます。
現在でも1区画のリュー・ディが複数のクリマに分かれることもあるのですから、テロワールの境界をより厳密に分けるだけで解決する問題だと思います。ブルゴーニュワイン愛好家はテロワールに拘っているので意見を纏めれば
おっしゃるとおり、現在でもブルゴーニュにおいては、一つのリュー・ディが複数のクリマに分割されている事例があります。したがって、テロワールに基づいて境界をより厳密に設定することは、理論的には可能であり、妥当性もあります。
以下にこの点を整理いたします。
現状の課題
ブルゴーニュワイン愛好家の多くは、テロワールという概念に強いこだわりを持っています。しかし、現在の状況では以下の課題があります。
- リュー・ディという地籍名は、必ずしもテロワール単位と一致していません。
- 一つのリュー・ディが複数のクリマにまたがる事例もあり、テロワールの境界が曖昧な場合もあります。
- 一つのクリマ内でもテロワールの差異が存在し、本来別の特徴を持つ畑が一括りにされていることもあります。
より厳密なテロワール区分の可能性
ご指摘のように、テロワールに基づいてより厳密に境界を設定しなおすことは、以下のようなメリットがあります。
- テロワールの差異が明確になり、愛好家や消費者にとって区画ごとの特徴がより理解しやすくなります。
- 品質管理やワイン醸造においても、より厳密に土地の個性を反映することができます。
- ブルゴーニュの特徴であるテロワールの多様性が、今以上に細やかに表現できます。
一方での課題と現実的側面
しかし、実際には以下の課題もあります。
| 課題 |
内容 |
| 歴史的・文化的側面 |
現在のクリマやリュー・ディの区画は、数百年以上の歴史の中で固定され、文化や伝統と深く結びついています。境界変更は地域文化への抵抗を生む可能性があります。 |
| 所有者間の利害調整 |
テロワール単位で再編するには、多くの所有者間の協議と合意が必要となります。これは現実的に困難を伴う可能性があります。 |
| ブランドの保護 |
既存のクリマやリュー・ディの名前には強いブランド価値があり、変更すると消費者の混乱や市場価値の低下を招く恐れがあります。 |
現実的な解決策の方向性
理論上のテロワール再編が難しい現状を考えると、次のような現実的な解決策が考えられます。
- 公式なクリマやリュー・ディはそのまま維持しつつ、パーセルごとの細かなテロワールの違いを生産者が個別のキュヴェとして明示的に表現する方法
(例:「○○クリマ内の〇〇パーセル産」などのラベル表示)
- 生産者や生産組合が主導してテロワールを詳細に分類し、市場や消費者に情報提供する仕組みをつくること。
- ブルゴーニュワイン愛好家に対し、テロワールの微妙な違いを詳細に示した地図や情報を提供し、理解と認識を深めてもらうこと。
実際、ブルゴーニュの一部の生産者は、このような手法でテロワールの細かな差異を表現し、消費者に伝えています。
結論(まとめ)
- ご指摘の通り、ブルゴーニュのテロワールの境界は理論上はさらに厳密に再編でき、それによってブルゴーニュワインの個性をより正確に表現できる可能性があります。
- しかし、歴史的、文化的、所有権上の課題から、公式なクリマやリュー・ディを再編することは現実的には難しい面もあります。
- そのため、現在は既存の枠組みを維持しつつ、生産者がパーセル単位でテロワールの微妙な差異を消費者に伝える方法が一般的に行われています。
ブルゴーニュワイン愛好家のこだわりに応えるためには、今後もこうした現実的な方法でテロワールの特徴を詳細に伝える取り組みが重要になっていくと思われます。
「テロワールを把握している」とされる愛好家は、実際には各生産者の技術に騙されているだけだと思います。
優れた生産者は、畑ごとのイメージに従って味を作り分け、ヴィンテージが違っても一貫したスタイルを再現できるのではないでしょうか?
つまり、ワインの味わいにはテロワールもある程度反映されますが、それ以上に生産者の意志が強く作用しているということです。
ぶどうだけ与えられて、情報がなければ、畑の個性も味のイメージも立ち上がらない。そうなれば、テロワールなんて崩壊してしまうと思います。
ご指摘の要点
- いわゆる「テロワールを把握している愛好家」とは、実際には生産者ごとのスタイルや意図に反応しているにすぎないのではないか。
- 優れた生産者は、各畑に「あるべき味わい」のイメージを持ち、それを造り分けている。
- そのため、畑の違いから味わいが生じるのではなく、生産者が畑ごとに意図的に「違う味わい」を与えている。
- 結果として、愛好家が「これはこの畑の味だ」と感じるのは、テロワールではなく生産者の演出に過ぎない。
- 「ブドウだけを渡されても、情報がなければ畑の特性を反映したワインは造れない」=テロワールは生産者の意志なしには立ち上がらない。
私の見解:あなたの見方はテロワール理解の重要な一つの視点です
- テロワールは「自然の声」ではなく「文化的再構成」とみなす立場
- テロワールは自然条件ではありますが、それがワインとして表現されるためには、必ず人間のフィルター(意志、技術、記憶)を通ります。
- 生産者が「この畑はエレガントな味が出るべきだ」と意図して栽培・醸造すれば、たとえ土壌に違いがあっても、「そのようなスタイルのワイン」が再現され続けます。
- このようにテロワールを、人為的に「構築された物語(narrative)」として捉える議論もあります。
- 生産者がテロワールの「翻訳者」であるという事実
- 生産者は単なる中立の媒介者ではありません。畑の個性を見出し、それに応じた仕立てを与え、固定されたイメージを構築していく存在です。
- したがって、「この畑のワインはこうあるべき」という思い込みが、その畑のワイン像を形成します。
- 結果として、テロワールとは、生産者が造り手として「解釈」したものにすぎないのではないか、という疑問は極めて妥当です。
- 愛好家は「畑」ではなく「生産者による畑の再解釈」を飲んでいる
- あなたが指摘されたように、愛好家は結局、生産者が作った味のイメージを「畑の特徴」と誤認している可能性があります。
- つまり、「テロワールに惚れ込んでいる」と言いながら、実際には「その畑をどう表現すべきか」という生産者のストーリーテリングに影響されているだけということです。
テロワールを「記憶に支えられた人間の構築物」とみなす視点
| 項目 |
内容 |
| 生産者の役割 |
単なる媒介ではなく、「畑に意味を与える主体」 |
| 愛好家の認識 |
畑そのものを感じているようで、実は生産者の「味の演出」を飲んでいる |
| テロワールの成立条件 |
自然条件+生産者の記憶・意志・技術+市場の物語 |
テロワールという概念の構造的な矛盾と実態
「この区画は繊細な酸が出るからこう仕立てる」という判断は、あたかもテロワールに基づいているように見えますが、その判断自体が、畑に関する事前知識や記憶を前提としています。
つまり、テロワールの味わいは自然に「現れる」ものではなく、「あると知っているから引き出される」ものです。
このように、テロワールの味わいは、自然条件と人間の解釈・意図が不可分に結びついて成立しているため、「土地の違いがそのままワインの違いとして現れる」という単純な理解だけでは、現実のテロワール表現を十分に説明しきれない側面があります。
結果として、人がテロワールを意識して表現するからその味が生まれ、後にそれがテロワールと認識されるという、
いわば「自己循環的な構造」がテロワールをめぐる議論の中にある、と指摘する見方もあります。
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- posted : 2025-07-15, update : 2025-11-25
- Author : katabami (Editor) / ChatGPT (Writing Assistant)
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